ノンジアミンカラーとは、アレルギーリスクの高い「ジアミン」が配合されていない薬剤を使うヘアカラーのこと!
ジアミンフリーの薬剤を使用することで、頭皮への刺激やアレルギー性皮膚炎の予防につながります。
本記事では、「ノンジアミンカラーの特徴やメリット」「実際に染めたカラースタイル」についてご紹介。
ノンジアミンカラーに興味がある人は、ぜひ参考にしてくださいね。
※本記事で紹介する施術事例は一例です。ご自身の担当者と相談のうえ、最適な施術方針を決めていただくことをおすすめします。
※写真はあくまでイメージです。実際のモデルの年齢・性別・美容診断結果等と異なる場合がございます。
※施術によってはアレルギー反応や赤み等のリスクが生じる場合がございます。ご不安のある方は必ず担当者や担当医に事前確認を行なってください。
ノンジアミンカラーとは
ノンジアミンカラーとは、アレルギーリスクが高いとされる「ジアミン」が含まれていない薬剤を使ったカラーのことです。
そのため、「すでにジアミンアレルギーがある人」でも、かゆみが引き起こされるリスクを最小限に抑えながら髪を染められます。
また、アレルギーの発症に関係なく「将来的なジアミンアレルギーの予防」や「頭皮への刺激を少なくする」ことを目的として、多くの人がカラーを楽しめるのが特徴です。
そもそもジアミンって何?
そもそも「ジアミン」とは何か知っていますか?
聞いたことがあっても、ジアミンについて理解している人は少ないかもしれません。
ここからは、ジアミンについて詳しく紹介します。
ジアミンとは「染料」のこと!
ジアミンとは「パラフェニレンジアミン」という赤褐色の染料のことです。
ほかの染料と比べると「色落ちしづらい」「染まりがいい」といったメリットがあります。
上記の理由から、「茶色・赤色系のヘアカラー剤」や「白髪染め」に多く含まれています。
ジアミンアレルギーとは
ジアミンアレルギーとは、カラー剤に含まれるパラフェニレンジアミンに肌が反応して、アレルギー性皮膚炎を起こす症状のことです。
主に知られる症状の特徴
- 施術6〜48時間後に激しいかゆみが出る
- 頭皮やまぶたに発疹ができる 等
「少しかゆみがある」程度であれば、刺激性の皮膚炎である可能性もあります。
ただし、「ヘアカラーのたびにかゆい」「頭皮だけでなく顔にも赤みや腫れが出る」ようであれば、アレルギー性皮膚炎の可能性が高いです。
アレルギーと思われる症状を放置するとどんどん悪化してしまい、最終的にはカラーができなくなることも考えられます。
症状が出た場合には、弱いかゆみであっても早めに病院を受診して、アレルギー検査を受けましょう。
かぶれやすい人の特徴
パラフェニレンジアミンは劇物に指定されている成分*で、アレルギーを引き起こすリスクが認められています。
*毒物及び劇物取締法 昭和二十五年十二月二十八日 法律三百三号 第二条 別表第二
そのため、ジアミンに触れる機会が多い「カラー歴が長い人」「カラー頻度が高い人」や、バリア機能が低下しがちな「敏感・乾燥肌」の人が発症しやすい傾向です。
ただし、ジアミンアレルギーのリスクは「髪を染めている人」なら誰にでもあります。
ヘアカラーをしている限り、アレルギー発症のリスクがゼロとはいえません。
ノンジアミンカラーの種類や特徴
ノンジアミンカラーは、ジアミンを配合していない薬剤すべてを指します。
詳しく見てみると、薬剤や染まり方の特徴から大きく3つの種類に分けられます。
ここからは、ノンジアミンカラーの種類や特徴について詳しくご紹介します。
《1》ヘナ
ヘナカラーは、ヘナの葉に含まれる色素を活かして髪を染める方法で、化学成分を配合していないため、髪への負担も少なく抑えられます。
「ハリや艶が出る」といったトリートメント効果もあるため、施術を受けることで髪がきれいになるメリットも。
ただし「染めるのに時間がかかる」「色の選択肢が少ない」などのデメリットもあるため、人によっては注意が必要です。
《2》マニキュア
マニキュアカラーとは、酸性染毛料と呼ばれるタイプのヘアカラーのことです。
髪表面に染料をくっつけることで、白髪や明るい髪の色味を変化させます。
内部への負担がほぼない点から「ヘアダメージが少ない」というメリットがあります。
ただし、通常のヘアカラーと違い、髪を明るくする脱色作用はありません。
白髪やすでに明るくなっている髪でしか色の変化を実感できないため、「髪を明るくしたい」「統一感のある仕上がりにしたい」場合には不向きです。
《3》一部の酸化染毛剤
一般的なカラー剤と特徴は同じですが、ジアミンをまったく配合していないタイプの薬剤があります。
ノンジアミンの酸化染毛剤なら、黒髪を明るくしつつ白髪にも色づけ可能です。
そのため、ヘナやマニキュアと異なり、黒髪と白髪への染まり方に違いが出づらく、統一感ある仕上がりを叶えられます。
「白髪と黒髪がなじむように染めたい」「茶味のある明るい仕上がりにしたい」場合は、ノンジアミンタイプの酸化染毛剤がおすすめです。
ただし、一般的な白髪染めと比べると色持ちが劣るため、「色の染まりが少し悪く感じる」といったリスクもあるでしょう。
ノンジアミンカラーのメリット3つ
ノンジアミンカラーは、敏感肌の人だけでなく多くの人に使用可能です。
ここからは、ノンジアミンカラーを使うメリットを3つご紹介します。
《1》ジアミンアレルギーのリスクがない
ノンジアミンカラーには、アレルギーの原因となる「ジアミン」が配合されていません。
そのため「すでにアレルギーを発症した人」でも、かぶれやかゆみが起こることなくヘアカラーできます。
また、「アレルギーを発症していない人」でも、今後トラブルなくヘアカラーを楽しむために、ジアミンアレルギー予防としても有効的です。
《2》頭皮や髪の負担を軽減できる
ノンジアミンカラーの多くは、頭皮や髪に刺激となるほかの成分(アルカリ剤や過酸化水素)が配合されていないか少量です。
そのため、ジアミンアレルギーの有無に関係なく、頭皮や髪をいたわりながらカラーできます。
「ヘアカラー中に頭皮がしみやすい人」「カラーによるダメージが気になる人」は、特にノンジアミンカラーがおすすめです。
《3》ツンとしたにおいがしない
一般的なカラー剤と比べて、ノンジアミンカラーの薬剤にはツンとする成分(アルカリ剤)の配合量が少なめです。
そのため、カラー施術や放置中のにおいに関する不快感が軽減されるため、ストレスなくヘアカラーができます。
ノンジアミンカラーのデメリット3つ
アレルギーリスクの少ないノンジアミンカラーですが、人によってはデメリットに感じられる点もあります。
ここからは、ノンジアミンカラーのデメリットについて3つご紹介します。
《1》色落ちが早い・染まりが悪い
ノンジアミンカラーは、色持ちのいいジアミン系の染料が含まれていません。
そのため、アレルギーリスクは軽減されるものの、一般的なヘアカラー剤と比べると「色落ちが早い」「染まりが悪い」など、仕上がり面でのリスクを実感しやすいです。
特にヘナやマニキュアは、白髪やすでに明るい髪に色をつけることはできても、黒髪を明るくする作用はありません。
そのため、「白髪が少ない人」は染まり方がムラっぽく感じる可能性があります。
統一感ある仕上がりを叶えるには「暗めのカラーを選ぶ」「酸化染毛剤のノンジアミンカラーを使う」のがおすすめです。
《2》髪を明るくするのは不向き
ノンジアミンカラーの多くは、髪を明るくするためのアルカリ剤が含まれていないか、少量しか配合されていません。
そのため、一般的なヘアカラー剤のように極端に明るくすることは難しく、黒〜暗めのブラウン程度にしか染まらないこともあります。
髪を明るくしたい場合は、ブリーチやライトナーを使って明るくしたあとに、ノンジアミンカラーで色をのせるといった2つの工程が必要になります。
《3》施術を受けられる美容院が限られる
ノンジアミンカラーの薬剤は、すべての美容室に置いてあるわけではありません。
そのため、ノンジアミンカラーをしたい場合は、事前に美容室へ確認する必要があります。
予約前のリサーチが必要である点に関して、デメリットに感じる人もいるでしょう。
【色見本】酸化染毛剤を使用したノンジアミンカラー6選
ここからは、酸化染毛剤を使用したノンジアミンカラースタイルを6つご紹介します。
ノンジアミンカラーの色見本:黒・ブラック系カラー
艶のあるナチュラルブラック
艶やかでナチュラルなブラックカラーです。
日本人の地毛となじむ4〜5トーンくらいの明るさで、自然な仕上がりを叶えます。
深みのあるブルーブラック
深みのある艶やかなブルーブラックです。
地毛よりやや暗めの2トーンくらいの明るさで、ほんのり青みを感じられます。
ノンジアミンカラーの色見本:茶髪・ブラウン系カラー
ほんのりあたたかみを感じるダークブラウン
ほんのり茶味を感じられるダークブラウンです。
地毛より少し明るい5〜6トーンくらいで、ブラックよりやわらかな雰囲気を表現できます。
明るさを感じる暖色系ブラウン
明るさのある暖色系ブラウンです。
イエベさんと相性がよく「肌を明るくきれいに見せられる」という理由で人気があります。
ノンジアミンカラーの色見本:ピンク系カラー
やさしげな色味を感じるピンクブラウン
ほんのりピンクの、あたたかみを感じられるカラーです。
ダークなピンクカラーなため、ナチュラルで大人フェミニンな雰囲気に仕上がります。
鮮やかさを感じるピンクブラウン
光に透けると、ピンクブラウンになるカラーです。
根元はノンジアミンカラーでアレルギー対策を、毛先は通常カラーでピンクの色味を表現しています。
【色見本】ヘナ・マニキュアを使ったノンジアミンカラー6選
ここからは、ヘナやマニキュアを使ったノンジアミンカラーのヘアスタイルを6つご紹介します。
ヘナを使ったノンジアミンカラーの色見本
インディゴヘナで艶っぽいブルーブラックに
ノンジアミンカラーで明るくしたあと、インディゴヘナで藍色に染めたヘアスタイルです。
赤みを抑えながら、艶感のあるブルーブラックに仕上がります。
オレンジヘナで白髪のみをカラー
ハナヘナのオレンジヘナを使用したカラーです。
白髪のみに色がつくため、地毛の黒髪とヘナカラーのオレンジの2色が混ざった仕上がりになります。
マニキュアを使ったノンジアミンカラーの色見本
頭皮にやさしいナチュラルブラックに
マニキュアで統一感あるブラックに仕上げています。
髪や頭皮への負担なく、艶のある仕上がりを求めている人におすすめです。
白髪を活かしてやわらかなブラウンカラーに
白髪の明るさを活かして、ライトブラウンカラーに仕上げています。
軽やかでふんわりとした見た目にしたい人におすすめです。
ナチュラルブラウンのマニキュアカラー
明るすぎず暗すぎない、バランスのいいブラウンカラーです。
艶を表現しやすいため、髪をきれいに見せたい人におすすめ◎
艶やかでナチュラルなブラウンカラー
暖色系のナチュラルブラウンです。
あたたかみを感じるカラーは肌になじみやすく、バランスがとれた仕上がりになります。
ノンジアミンカラーに関する質問
ここからは、ノンジアミンカラーに関するよくある質問をご紹介します。
ノンジアミンカラーでもかゆい…原因は?
ノンジアミンカラーのヘアカラーで染めてもかゆみが起こる場合、ジアミン以外の成分に反応している可能性があります。
特に多いのは、アルカリや過酸化水素に反応して炎症(刺激性の皮膚炎)を起こすことで、皮膚にかゆみが起こるケースです。
また、乾燥肌や敏感肌の場合は頭皮に傷がついていることも多く、傷に薬剤の揮発成分が触れることでむずがゆく感じることも考えられるでしょう。
対策としては「頭皮を保護してからカラーをする」「皮膚科で検査を受ける」ことをおすすめします。
市販でもノンジアミンカラーを購入できる?
市販でもノンジアミンカラーは購入可能です。
市販で購入できるノンジアミンカラーには「カラートリートメント」「ヘナ」「ヘアマニキュア」などがあります。
ただし、アレルギーリスクをなるべく抑えながら綺麗に染めるなら、美容院でノンジアミンカラーをしてもらうのが理想的です。
ノンジアミンカラーをしている美容室はある?
ノンジアミンカラーを導入している美容室はあります。
ただし、すべての美容室で用意があるわけではないため、事前に施術が可能か確認しましょう。
近くの美容院を探す際は「ノンジアミンカラー+地域名」で検索をかけてみるのがおすすめです。
ノンジアミンカラーで頭皮をやさしくいたわろう
ノンジアミンカラーは、アレルギーの原因となる「ジアミン」が含まれていないカラー剤のこと。
「すでにジアミンアレルギーを発症している人」や「事前にアレルギー予防をしたい人」におすすめです。
頭皮をいたわりながらヘアカラーをしたい人は、ぜひノンジアミンカラーを検討してみてくださいね。