お葬式は、故人とのお別れをする大切な時間。
身だしなみのマナーをわきまえて参列するのが望ましいとされています。
とはいえ突然の葬儀に戸惑い、どんな髪型でいけばいいのか迷う人も多いでしょう。
本記事では、お葬式における髪型のマナーを解説するとともに、おすすめのアレンジをレングス別でご紹介します。
※本記事で紹介する施術事例は一例です。ご自身の担当者と相談のうえ、最適な施術方針を決めていただくことをおすすめします。
※写真はあくまでイメージです。実際のモデルの年齢・性別・美容診断結果等と異なる場合がございます。
※施術によってはアレルギー反応や赤み等のリスクが生じる場合がございます。ご不安のある方は必ず担当者や担当医に事前確認を行なってください。
【基本】お葬式における髪型のマナー
お葬式への参列が決まったら、まずは葬儀における髪型のマナーを確認しましょう。
葬儀は、冠婚葬祭のなかでも特に厳格なマナーやTPOの意識が求められます。
なぜなら、お葬式は故人との別れを偲ぶ大切な時間だから。
厳粛な空間を崩さないよう、参列者として最低限の心得をしておくのが大切です。
《1》清潔感のあるヘアスタイルを意識する
1つ目のマナーは、清潔感のあるヘアスタイルを意識すること。
お葬式では、普段取り入れているようなおしゃれで抜け感のある髪型は求められていません。
大事なのは、とにかく清潔感のあるシンプルなヘアスタイルであることです。
髪が長い場合は、シニヨンやひとつ結びなどのまとめ髪にするのが基本。
肩につかない長さであれば無理に結ぶ必要はありませんが、顔が髪で隠れてしまうことがないように気をつけてください。
近年のトレンドヘアは、抜け感やこなれ感がキーワードになっているスタイルが多いです。
そのため、いつもと同じようにアレンジしようとすると、ルーズな印象になってしまいがち。
毛束をゆるませたり、後れ毛を引き出したりするのはデイリーヘアとしては何の問題もありませんが、葬儀の場にはふさわしくありません。
《2》カジュアル・華美なヘアアクセサリーは避ける
2つ目のマナーは、カジュアル・華美なヘアアクセサリーは避けること。
お葬式の場はおしゃれを楽しむところではありません。
日常使いするような可愛いヘアアクセサリーはカジュアル・華美な印象を与える可能性があるため、使用を避けましょう。
お葬式に参列する際は、ヘアアクセサリーをつけなくても大丈夫。
装飾のないピン・ヘアゴムを使っておけば、間違いはありません。
何かしらのヘアアクセサリーをつける場合は、モノトーンカラーで小さなサイズのアイテムを選んでください。
カラフルなものや存在感のあるものは当然NG。
また、光沢があるものも好ましくないので、ラメ・ビジュー類は避けましょう。
たとえ黒色のアイテムを選んでいても、サイズが大きすぎるとドレスアップしている印象を与えます。
最近のトレンドでもあるモノトーンのビッグリボンやカチューシャなども控えたほうが無難でしょう。
「自分で選ぶのは不安」という人は、喪服を取り扱っているお店でヘアアクセサリーを購入するのがおすすめですよ。
《3》香りの強いスタイリング剤は使わない
3つ目のマナーは、香りの強いスタイリング剤は使わないこと。
ヘアセットに使用するスタイリング剤のなかには、香料が含まれているものもあります。
基本的に香りの種類に関わらず、葬儀の場で香りものを身につけていくのはマナー違反です。
お葬式に香水はNGなことを知っていても、スタイリング剤にまで意識が向かないという人は少なくないでしょう。
お葬式で使用するお香には、その場にいる人の悲しみを癒し、その身と心を清めるという意味があります。
香料の強いスタイリング剤をつけていく行為は、お香の意味を無視することになってしまうのです。
ちなみに、お葬式向けの髪型にワックスやジェルなどのスタイリング剤を使用すること自体は何の問題もありません。
髪質によっては、スタイリング剤を使わないと毛先が広がって綺麗にセットできないという人もいますよね。
おしゃれ目的での過度な使用でなければ大丈夫ですよ!
【レングス別】お葬式に出席するときの髪型20選
ここからは、実際にお葬式に参列する際におすすめな髪型をご紹介します。
レングスごとにピックアップしているので、ご自身の髪の長さに合わせてチェックしてくださいね。
ショートヘアの場合
押さえておくべきポイント
- 前髪・サイドバングが顔にかからないようにする
- 毛足は遊ばせずシンプルにまとめる
ショートヘアはもともとコンパクトで清潔感のある髪型なので、基本的にはいつも通りのヘアセットで問題ありません。
わざわざコテでぐるぐるに巻いたり、派手なヘアアクセサリーをつけなければOK。
前髪やサイドバングを長めにしている場合は、毛先が顔にかからないようにまとめておくと安心です。
耳にかけたり、ピン留めを使ったりして対応しましょう。
毛足は遊ばせず、ストレートのまま残しておいてください。
ヘア全体の動きを控えめにすることで、カジュアルさを抑えることができますよ。
《お葬式向けの髪型》丸みショート
丸みショートは、ショートアレンジのなかでも特にシンプルな髪型。
曲線的な柔らかいシルエットで、優しい印象を与えます。
カットの時点で毛先が内側に入るように設計されているので、ヘアセットなしでも十分形になります。
《お葬式向けの髪型》耳掛けショート
清潔感のある爽やかな耳掛けショート。
サイドバングを耳にかけることで、顔まわりがすっきりと見えます。
毛先が広がりやすい場合は、ヘアオイルで少しウェットに仕上げてもOK。
カジュアルになりすぎないように、毛先にだけ少量馴染ませるのがポイントです。
《お葬式向けの髪型》ひし形ショート
大人っぽく上品な印象を与えるひし形ショート。
「きちんとヘアセットしたいけど、華美な感じにはしたくない」というときにぴったりのデザインです。
ブローだけでも簡単に再現できるので、ヘアアレンジが苦手な人でも取り入れやすいでしょう。
《お葬式向けの髪型》センターパート
前髪なしor長め前髪の人は、センターパートでシンプルにアレンジ!
表情が見えやすくなるので、清潔感のあるさっぱりとした印象に仕上がります。
前髪・サイドバングの毛先はワックスで束感を作り、毛束がバラけないようにしましょう。
《お葬式向けの髪型》ハンサムショート
前下がりのマニッシュなシルエットで、顔・首まわりをすっきりさせましょう。
襟足を短く刈り上げておくと、顎〜鎖骨にかけてのラインがよりスマートに見えます。
直毛さんはストレートヘアのままでOK。
くせ毛さんの場合は、毛先のニュアンス感を活かして柔らかなシルエットに仕上げると良いですよ!
ボブヘアの場合
押さえておくべきポイント
- ボリュームを控えめにする
- 毛量が多い場合はまとめる
ボブヘアは、全体的なシルエットにボリュームが出やすいです。
ボリューミーな髪型は華美な印象を与える可能性があるので、できるだけ毛量を抑えたアレンジにするのがおすすめ。
カットの時点で適度なレイヤーを仕込むと、毛先が軽く見えます。
顔まわりがすっきりして、清潔感のある大人っぽい雰囲気に仕上がるでしょう!
ピン留めやバレッタなどでまとめるのもGOOD。
ハーフアップや編み込みなど、タイトなシルエットのまとめ髪にすると良いですよ。
《お葬式向けの髪型》内巻きボブ
定番の内巻きボブは、お葬式用のヘアアレンジとしても取り入れやすい髪型です。
内巻きにする際は、アイロンで毛先だけ軽くカールさせるのがポイント。
くりっと巻きすぎるとラフな印象になってしまうので、注意してくださいね。
《お葬式向けの髪型》ワンレンボブ
飾り気のないシンプルなワンレンボブ。
知的で清楚な印象を与えるアレンジなので、30代上の大人女性にもおすすめです。
前髪の根元はあまり強く立ち上げず、毛流れに沿ったなだらかなラインを意識しましょう。
《お葬式向けの髪型》編み込みハーフアップ
毛量が多いorパーマをかけているボブヘアには、コンパクトなハーフアップアレンジがおすすめ。
ヘア全体のボリューム感が抑えられるので、落ち着きのある清楚な雰囲気に仕上がります。
お好みに合わせて編み込みやくるりんぱを合わせても良いですね!
《お葬式向けの髪型》ストレートボブ
毛流れを活かしたシンプルなストレートボブ。
写真は前髪なしになっていますが、前髪ありでも馴染みやすい髪型です。
ドライヤーとブラシでブローするだけで完成するので、簡単な葬儀用ヘアアレンジを探している人には特におすすめ。
《お葬式向けの髪型》外ハネボブ
フレッシュで爽やかな外ハネボブ。
カールに角度をつけすぎるとカジュアル寄りになってしまうので、外ハネカールは控えめに作るのがポイントです。
髪が広がりやすい場合は、中間部分に小さめのくびれを作ることでまとまりやすくなりますよ!
ミディアム・セミロングヘアの場合
押さえておくべきポイント
- 肩より長い髪はまとめる
- 中途半端な長さの毛はピンでしっかりまとめる
ミディアム・セミロングの場合は、肩につくかつかないかでアレンジの仕方が変わります。
肩・鎖骨よりも長い場合は、まとめ髪にするのがおすすめです。
お辞儀をしたときに髪が乱れるのを防げます。
ミディアムヘアは、結びにくい長さの毛が混じっている場合も多いですよね。
普段なら後れ毛として残しておくのもおしゃれですが、葬儀用の髪型としてはふさわしくありません。
中途半端な長さの髪の毛は、ピンやスプレーでしっかり留めておきましょう。
《お葬式向けの髪型》ゆるお団子
お団子ヘアにするときは、耳よりも下の位置でまとめるのがポイント。
毛束をくるっと巻きつけただけの簡単なシニヨンは、シンプルで控えめな印象に仕上がります。
モノトーンの小さめなヘアアクセサリーで、ワンポイントを作ってもOK!
お《お葬式向けの髪型》くるりんぱ
ローポニーを簡単なくるりんぱでアレンジした髪型。
中途半端な長さのミディアムヘアでも取り入れやすく、綺麗にまとまります◎
カジュアルになりすぎないように、編み目の毛束はあまり引き出さないようにしましょう!
《お葬式向けの髪型》ゆるハーフアップ
毛先が広がりやすいミディアム・セミロングの場合は、コンパクトなハーフアップにするのがおすすめ。
ヘア全体のボリュームを抑えて、落ち着いた印象に仕上げてくれるでしょう。
サイドバングも一緒に結ぶと、顔まわりがすっきりして見えますよ!
《お葬式向けの髪型》編みおろしツイン
毛量が多い場合は、簡単な編みおろしツインでアレンジしてみましょう。
ドレスアップして見えないように、後れ毛やヘアアクセサリーは控えめにするのがポイント。
毛束を2つに分けることで自然なボリュームダウンができ、まとまりのある上品なシルエットに仕上がります。
《お葬式向けの髪型》ひとつ結び(ローポニー)
レイヤーカットやウルフカットで毛先の長さがバラバラなミディアムヘアには、簡易的なひとつ結びがおすすめ。
ヘアスタイルがシンプルなので、小さめのバレッタをつけても良いですね!
後れ毛がぴょこぴょこ飛び出てしまう場合は、ジェルで抑えるか、ピン留めでまとめるとGOOD。
ロングヘアの場合
押さえておくべきポイント
- 髪のボリュームを抑える
- 基本はまとめ髪
- カールヘアは避ける
ロングヘアはほかのレングスに比べてゴージャス感が出やすいので、特に注意が必要です。
派手な印象にならないよう、全体的なシルエットをコンパクトにまとめましょう。
基本的には、シニヨンやローポニーなどのまとめ髪がおすすめ。
おろしたままの髪はカジュアル・無造作な印象になるので、控えたほうが良いです。
もともとパーマをかけている場合は仕方ないですが、あえてコテでカールをつけたりはしないようにしましょう。
《お葬式向けの髪型》定番シニヨン
かっちりとした印象のシニヨンは、ロングヘアの定番アレンジ。
清潔感あふれる上品な髪型なので、喪服との相性もばっちりですよ。
触覚や後れ毛は残さず、毛先までしっかりまとめるのがポイント。
《お葬式向けの髪型》タイトポニー
シンプルなローポニーに一手間加えたアレンジ。
毛束をひねってまとめるだけで、タイトなシルエットに早変わりします。
くせ毛で毛先がハネやすい人や、パーマヘアが目立つ人におすすめですよ。
《お葬式向けの髪型》編みおろしロング
編みおろしロングは、年齢を問わず取り入れやすいお葬式向けの髪型。
編み込みができない場合は、三つ編みやくるりんぱで代用してもOKです◎
結び目の部分に黒色のリボンやバレッタをつけると、より上品で大人っぽい雰囲気になりますよ。
《お葬式向けの髪型》ハーフアップ
もともとの髪の毛が直毛さんの場合は、ハーフアップを取り入れても良いですね。
パーマがかかっている髪は、ハーフアップにすることでゴージャスに見えてしまう可能性があるので、あまりおすすめできません。
仕上げに、黒いシュシュやリボンをつけてもGOOD。
お葬式の髪型に関するFAQ
最後に、お葬式の髪型に関するFAQをまとめました。
気になる項目があれば、こちらの回答を参考にしてくださいね。
中途半端な長さでまとめ髪ができない場合はどうしたらいい?
中途半端な長さでまとめ髪ができない場合は、無理に結ぼうとしなくても大丈夫です。
焼香(しょうこう)やお辞儀の際に髪が顔にかからないよう、前髪やサイドバングだけ留めておきましょう。
髪の毛を染めていても大丈夫?
お葬式は結婚式と異なり、前もって予定を組めるものではありません。
そのため、いつもの髪色で参列してもマナー違反となることはないでしょう。
ハイトーンに染めている人は、そのままの髪色で参列することに抵抗がある場合もありますよね。
そんなときは、1dayタイプのカラースプレーで暗くするのもありです。
スプレーはシャンプーで落とせるので、その後の髪色に影響もありません。
お葬式には清潔感のあるシンプルな髪型で参列するのがマナー
お葬式には、清潔感のあるシンプルな髪型で参列しましょう。
個人との思い出を偲ぶその場の空間を尊重するのが大切ですよ。